おとぎ古書店の幻想装画【第3回】小夜啼鳥(アンデルセン童話より)|夜汽車|PIE International


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~あらすじ~
むかしむかし、中国の皇帝の住む御殿と庭園は世界一美しく、煌びやかで有名でした。世界中から旅人が訪れましたが、一番美しいのは庭園に住む小夜啼鳥の歌だと言い、みんな詩や本にその素晴らしさを記しました。それはやがて皇帝の下にも届きましたが、皇帝は小夜啼鳥を知りません。皇帝は従者に小夜啼鳥を探し出すよう命令します。
従者から皇帝が歌をお望みだと聞かされた小夜啼鳥は、皇帝の前で美しい歌声を披露します。その見事な歌声に皇帝は涙をこぼし、小夜啼鳥を御殿に住まわせます。
ある日、日本の皇帝から細工物の小夜啼鳥が送られてきました。ネジをまわすと本物そっくりに歌い続ける細工物に皇帝もみんな満足します。いつのまにか、本物の小夜啼鳥は姿を消してしまいました。
それから5年の月日が経ち、皇帝は病に倒れました。死神が現れ、皇帝にこれまで犯した罪をささやきます。皇帝は死神の声から逃れたい一心で、細工物の小夜啼鳥の歌声をと望みますが、ネジを巻く者がおらず歌声を聞くことができません。すると、そこに本物の小夜啼鳥が飛んできて……。(『小夜啼鳥』アンデルセン童話より)

 


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~Rough draft~
中国皇帝をイメージした衣装をアレンジしてレースを使いつつ、肩に細工物の小夜啼鳥、木の枝に本物の小夜啼鳥を描きました。向かって左側に皇帝の美しい庭のイメージと、右側にはとり憑いた死神を。死神の腕が服から飛び出てきて皇帝の手を取ろうとしているイメージです。中国皇帝の顔は白く血の気の引いたような雰囲気にしています。
物語からいろいろな解釈ができると思うのですが、読了感の美しさを損ねないように心掛けました。

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